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第一種金融商品取引業

第一種金融商品取引業の登録要件

FX業者や証券会社を新規に始める際に必要な「第一種金融商品取引業」の登録要件としては、
下記の基準が定められています。(他にも細かいことは複数ありますが、主要なものを抜粋)

1.取締役会及び監査役又は
委員会設置会社の株式会社であること

第一種金融商品取引業の登録を受けるには、原則として取締役会及び監査役又は委員会設置の株式会社である必要があります。
実務的にはほとんどの会社が取締役会及び監査役の設置により要件を満たすことになると思います。
なお、第一種金融商品取引業者は、取締役及び監査役の任期の定款による延長は認められず、会社法の原則通りの任期となりますので、注意が必要です。

2.純資産及び資本金が5,000万円以上あること

純資産及び資本金の5,000万円に関してですが、実際に5,000万円を用意すれば資金的には登録が可能かといえばそれだけでは難しいです。というのも、この5,000万円は維持要件ですので、これを割れば登録取り消し事由になる赤信号水準だからです。
そのため、新規に登録をしようとすれば、行政当局に対して「この先も、原則的に純資産が5,000万円を割らない」ことの説明が求められます。

3.自己資本規制比率120%以上であること

自己資本規制比率に関して言えば、これも純資産と同じく最低条件なので、120%ギリギリでは当局に難色を示されます。
そもそも、登録業者であっても140%を下回った時は、いわば黄色信号として、当局に届出を要する制度になっていますので、十分に数字に余裕をもって登録審査に臨む必要があります。

ここでいう自己資本規制比率とは、平たくいえば、一定の計算方法に従って計算した、この先に発生が見込まれる経費や損失額に対して、現在何パーセントの流動資産を手元に用意しているかの比率です。つまり何かあった際に資金ショートせずにきちんと取引先にお金が支払えるかどうかの資金の余裕を示す数字ということができるでしょう。

よって、手元の経費やリスクに対して、多めの流動資産、多くの場合には現金を確保しておけば、自己資本比率は高くなりますし、逆に前述の5,000万円の純資産をクリアするために、無理やり手持ちの不動産等の固定資産を会社資産に組み入れても、流動資産が少ないと自己資本規制比率は低いままなので、意味がありません。

4.主要株主が一定の欠格者でないこと

主要株主規制に関して実務上問題になりやすいのは、親会社が外資の場合です。
親会社が外国の金融事業者で、日本居住者に対する無登録の営業行為を行ったことがある会社では、多くの場合、登録審査で問題が顕在化することになります。
とりわけ、無登録営業の結果、当局から警告書を発出されて金融庁のホームページに掲載されてしまった業者は、その後に子会社等での登録を希望しても基本的に登録は極めて困難です。

5.第一種金融商品取引業を的確に
遂行するに足る人的構成を有すること

第一種金融商品取引業を的確に遂行するに足る人的構成に関しては、監督指針で以下のように明示されています。
ここのポイントは、「その行おうとする第一種金融商品取引業の業務を3年以上経験した者が複数確保」 という部分にあります。

例えばFXを提供するのであれば、原則として通貨関連店頭デリバティブ業務の3年以上の経験者を最低2名以上確保することが必要になります。

また、人員配置の観点からは、コンプライアンス担当者、内部監査担当者、営業担当者にも必ず金融商品取引業の実務経験者の配置の必要があります。もちろんビジネス規模にもよりますが、区分管理・分別管理の計算の担当者等の配置もあわせて考えると、スモールスタートの場合、常勤5、6名程度が第一種金融商品取引業の登録を受けるうえでの最低限の人数になってくると思います。

役員構成として、実際の経営にあたる代表取締役は、基本的に金融商品取引業者又は登録金融機関で十分な職務経験を有する者(その経歴及び能力等に照らして、金融商品取引業者としての業務を公正かつ的確に遂行することができる十分な資質)であることが求められています。

また、取締役のうち最低でも1名は、常勤のコンプライアンスのプロ(金商法等の関連諸規制や監督指針で示している経営管理の着眼点の内容を理解し、実行するに足る知識・経験、及び金融商品取引業の公正かつ的確な遂行に必要となるコンプライアンス及びリスク管理に関する十分な知識・経験)である必要があります。

(注)なお、金融商品取引業者の主要株主における上記マル2イからホまでの事項等を総合的に勘案した結果、当該主要株主がその影響力を不当に行使することで、結果的に金融商品取引業の信用を失墜させるおそれがあると認められる場合も、当該金融商品取引業者は「金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない」と認められる可能性があることに留意する必要がある。

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