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投資型クラウドファンディング

インターネットでの非上場の株式、貸付ファンド、事業の小口証券化商品等の
有価証券の募集は、一般に投資型クラウドファンディングと呼ばれ、
不動産特定共同事業法に基づくファンドを除き、
原則として金融商品取引法の規制対象となる取引です。

金融商品取引法により株式の募集又は私募の取扱は第一種金融商品取引業、
ファンド(営業者が貸金業に登録し資金需要者に貸付を行ういわゆる貸付型クラウドファンディングのファンドを含む)の募集又は私募の取扱又は自己募集は、第二種金融商品取引業の登録が必要になります。

電子募集取扱業務

これらの行為のうち、取扱業務、すなわち他社(SPCや第二種金融商品取引業者の関係会社を含む)の発行有価証券を、インターネット上で募集要項等を掲載して勧誘する行為は、貸付ファンド等の一定の場合を除き電子募集取扱業務とされており、前述の第一種金融商品取引業又は第二種金融商品取引業に加えて、電子募集取扱業務の登録も必要になります。

また、そのうちでも、インターネット上から契約の申し込みや締結ができるスキームは、電子申込型電子募集取扱業務と呼称され、一般の電子募集取扱業務よりもより厳しい規制に服します。

なお、例外として、第一種又は第二種少額電子募集取扱業の登録制度があり、第一種金融商品取引業又は第二種金融商品取引業よりも、緩和された登録要件により、電子申込型電子募集取扱業務を行うことが可能です。

もっとも、第一種少額電子募集取扱業の登録を受けた事業者は複数存在するものの、第二種少額電子募集取扱業の登録のみの事業者は2019年時点で存在しません。

きわめて厳しい登録要件と募集可能額の制限がある一方、第二種金融商品取引業と比較した場合の緩和的規制がごくわずか(最低資本金規制が1,000万円から500万円に緩和等)であるため、あえて登録する経済合理性に乏しいのがその理由と考えられます。

ソーシャルレンディング・
貸付型クラウドファンディング

貸付型のファンドは、電子募集取扱業務の登録を要しないのは上記で記載した通りですが、貸付型ファンドクラウドファンディング・ソーシャルレンディングの販売業者が立て続けに行政処分事例を起こしたことにより、2019年現在、同業態は非常に厳格な登録審査が行われています。

また、こうした不透明性の原因のひとつになっていた、貸金業法に基づくファンドの「複数化」(単一の貸出先ではなく複数の貸出先のファンドとする)「匿名化」(貸出先の名称を明示してはいけない)の必要性に関しては、平成31年3月18日付けで金融庁は発表したノーアクションレターにより不要とされ、行政解釈が事実上変更になりました。クラウドファンディングをめぐる情勢は刻一刻と変化しています。

発行体審査等

電子申込型電子募集取扱業務・貸付型クラウドファンディングいずれにも共通する業務上の重要なポイントとして、ファンドの審査・モニタリング態勢があります。金融商品取引を「売って終わり」という事業会社的な発想は、金融商品取引業者では許容されません。

貸付型クラウドファンディングの場合には「事業型ファンドの私募の取扱等に関する規則」「貸付型ファンドに関するQ&A(予定)」が適用され、事前審査や事後モニタリングを一般社団法人第二種金融商品取引業協会の規則・ガイドラインに従って行う必要があります。

電子申込型電子募集取扱業務に関しても、同様に「電子申込型電子募集取扱業務等に関する規則」が適用され、同じく審査やモニタリングの実施が義務付けられています。この審査体制(人的体制及び社内規程・審査マニュアル)を如何に詳細に構築できるかが登録審査における大きなポイントです。

近年、審査部門のコンプライアンス部門からの独立が求められるようになっています。また、審査規程は抽象的・一般的なものでは許容されず、自社の取り扱おうとしているファンドの内容に即して詳細かつ具体的定めをおく必要があります。また、それ以外にも、利益相反防止措置の詳細や、貸付型クラウドファンディングの場合の融資審査規程等も、登録審査の上では非常に重要です。

クラウドファンディング開業支援

当ファームは、第一種少額電子募集取扱業(株式型クラウドファンディング)、第二種金融商品取引業の電子申込型電子募集取扱業務(事業型ファンド)、ファンド出資対象事業が貸金業である第二種金融商品取引(ソーシャルレンディング)のいずれも、登録申請を代理又は補助を行います。

社内体制の構築や信託銀行との契約、取扱審査フローの構築といった実務の細部にわたり、依頼者様に実践的なアドバイスが可能です。

とりわけ、本分野は日本証券業協会又は一般社団法人第二種金融商品取引業協会の自主規制規則が非常に重要になってくることから、法令だけでなく協会規則も含めた網羅的な目配りが必要になります。

これら事業の開業手続きは、高度に専門的で詳細を極めます。金融のバックグラウンドを持たないIT会社・事業企業が、本業の傍らで自力できるようなレベル感ではありません。クラウドファンディング事業への参入をお考えの場合には、当ファームにぜひご相談ください。

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